GPSの活用法
古野 寛
1.GPSは山で使えるのか
一時期GPSが山の遭難防止に役立つという話で盛り上がったが実際は普及せずに下火のままである。
原因としては
1.大きくて重い。
2.値段が高い。
3.地図ソフトが無いか、粗い。
が上げられる。大きくても高価でもなんとかなるヨット(クルーザー)などのマリンスポーツが中心となり、山屋の貧しさや無くても何とかなる、という必然性のなさが普及を遅らせた。
最近の進化で大きさが相当小さくなり、安くもなった。欠点は「地図ソフトが無い」ということである。
また沢で使うには地形が開けないと衛星が3個以上見えないので位置が出ないという問題もある。
2.実用テスト
・機器 ソニーハンディGPS(Navin−you付属のもの)単3-2本で動作、ただし緯度経度だけの表示。
・場所 虎毛山塊 皆瀬川大鳥谷沢
・日時 2001年9月2日
3.事前準備
2万5000図にあらかじめ補助線を引く必要がある。
・地図の4隅に緯度経度が記載されている。行く場所の近くのコーナーを見ればよい。
・地図の枠の部分に黒色の短線がある。これが基準メッシュの線となっているので行く場所付近の線を定規で引く。経度(縦)緯度(横線)共に1度ステップとなっている。適当に何度何分を記入しておく。
スケールを作る。
この補助線では粗いのでさらに30秒ステップの線を真ん中に引くという手もあるが今後のことを考えてスケールを作っておく。文房具店で売っているカードケースをバラしてカッターで線を引き、マジックで上からなぞる。74mm*57mmを6等分することになる。この作業はパソコンのドロー系グラフィックソフト(イラストレーターなど)を使うと簡単に升目が出来るのでプリントアウトして下図として使った。
4.テスト結果
沢が開けないとなかなか3個目の衛星が掴まらないことが多い。この沢は比較的開けた部分があったので5カ所くらい測定できた。スケールを作ってなかったので大ざっぱな位置しかチェックできなかったが地形から見た場所とは一致した。機器にはメモリーがあるので後で返ってから確認したら2-3mmのズレがあった。(上図の赤い星マークが測定した地点)
沢の場合、水線がはっきりしているところでは緯度経度のどちらかがわかれば水線とで位置が決まる。南北の沢ならば緯度と水線を使った方が精度が良いようだ。
今度はスケール持参でトライする。
5.まとめ
地形図を工夫することにより小型の緯度経度しかでないGPSを使って位置を同定することは可能だし、安心材料になる。沢よりもヤブ漕ぎや山スキーで天候の悪いときは重宝するだろう。単独行でも有効だ。