シート担架の作り方


シート担架の作成に必要な装備

ツェルトまたはフライシート
銀マット 2
ザック
スリング 6
補助ロープ(10m)
急斜面を搬送する場合
ロープ
ハーネス
スリング 
カラビナ 5

シート担架の作成

@ 事故者の準備。
 A) 急な斜面を搬送する場合は、事故者にバックアップロープをセットする。
   ・ハーネスがなければ長めのテープスリングを使用。
 B) 事故者の意識レベルが低ければ両足首、両手首をそれぞれテーピング等で軽くまとめ、ばらけないようにする。
 C) 事故者をシュラフ等に入れて保温。胴回りだけでなく、頭部、首筋、足元の保温をしっかり行う。
   ・必要なら迷わずシュラフの横を切る。
   ・ヒューマンチェーンは最初うまく手を握れないので、オーバー手袋などを握って、
    一度膝の上に乗せてから再度握り直す。
   ・登山靴は履かせたまま、靴ひものみゆるめる。
   ・登山靴同士をスリングで結ぶのも有効。

A シェルの準備。
 A) ツェルト、あるいはテントのフライシート等でシェルの準備。大きさは傷病者の身長以上の長さと
  体側まで覆うことができる幅があればベスト。強度を考慮して二重なら心強い。
 B) シェルの上に銀シート、マット、ザックなどで地熱を遮断する。
   ・テントマットが複数ある場合は頭と足を少し出す。
   ・ザックが使用できれば、頭部から背中にかけて下に引くと事故者の固定に有効。
 C) 衣類、ザックの天蓋などを利用して、屈曲部の膝、首にクッションを入れる。

 D) 事故者の顔以外をシェルで覆う。
   ・足元をしっかり作る。
   ・シェルが小さいなら頭部あるいは前面を銀シートや別のもので雪が入り込まないようにして付け足す。
   ・前面を覆うことで、事故者の呼気により適度な湿度になり消耗が押さえられる効果も期待できる。
   ・呼吸空間を作った上で、首筋と顔にウェアなどをかぶせて保温する。
   ・足元も保温する。
B 梱包
 A) 両膝下、腰、肩上の底面にアンカーポイントを下から順に作る。
   ・シェルアンカーポイントの作り方:スリングを丸めたもの、カラビナ、雪玉、手袋などを外側から
    包んでひねり、クローブヒッチでくくる。スリングの結び目がくくった付け根に位置するよう
    注意する。(きちんと絞り込まないと搬送途中でシートが破けたり、梱包自体がゆるんで使い物に
    ならなくなるので注意)
   ・後で両側から引っ張る際にポイントが上にずれないようにあらかじめ事故者の下のシートに
    たるみがないようにして、底面に近い位置に作る。
   ・アンカーポイントが傷病部に当たる場合は位置をずらすこと。

 B) 両膝下、両腰のアンカーポイントをそれぞれシートベントで結束する。
   ・結び目が身体の中心線に来るように片方のスリングに結び目を作っておき、
    そこにもう片方のスリングをシートベントで結束する。

 C) 両肩上のアンカーポイントをシートベントで結束する。
   ・肩上のスリングが短いと首が絞まるので胸のあたりに来るように長さを調整する。
    このスリングによって肩が包まれるようにアンカーポイントの位置を決める。
 D) 膝下、腰、肩上の結束部をそれぞれシートベントで結束する。

 E) 足元のアンカーポイントを作り、膝下の結束部と結束する。
 F) 約10mの補助ロープで各アンカーポイント同士を結束する。
 G) 頭部のアンカーポイントを作り補助ロープと結束する。
 H) 寒気や風雪をさえぎり視野を狭くするために事故者の頭部を銀シートで覆う。顔は見えるようにする。

 I) 足元、頭部のアンカーポイントにカラビナをセットする。
C その他
 A) 搬送経路に引き上げ、引き下ろしが予想される場合は頭部と肩上のアンカーポイントを
  流動分散でロープに結ぶ。
 B) テーピングなどを利用してシェルの外側に外傷位置をマーキングする。
 C) しっかりした梱包が重要。

搬送方法

@ 救助者は肩掛けひもの長さをディージーチェーン等で適宜調整し担架にセットする。
 ・ディージーチェーンのカラビナをアンカーポイントの両側で補助ロープにかける。

A 傾斜のないところや下りでは足元を、登りは頭を先頭にする。
B 搬送中は事故者の容体の変化に注意する。定期的に声をかけるなど励ましたり、時折、顔色を見る。
C 振動を与えないように、搬送ルートは救助者の踏み跡を避ける。
 ・雪面は引きずる。ディージーチェーンは長めにセットする。
 ・段差では一度膝に乗せ、ディージーチェーンを短くセットし直す。
D ラッセルがひどい場合は搬送スピードを考慮すると、搬送の隊列は一列にならざるを得ない。