川浦渓谷

 

2017年8月6日(日)

メンバー:営業、編集、医者、理系女

 

時間があるので、1ヶ月以上も前に行った日帰りの沢の記録も書こう。

●出発〜

関東在住で「川浦渓谷」と地図で検索すると埼玉県秩父市にある「川浦谷渓谷」がヒットする。「カワウラタニケイコク」と読むのか、正しい呼び名は分からないけど、自分たちが行った「川浦渓谷」は「カオレケイコク」と読む。字は似ているが全く違う渓谷だ。

お盆山行のプレとして計画を立てた今回の計画。

土曜日の仕事を早く切り上げて17時に都内を出発した。

家にも帰らず、夕飯も食べず、仕事場から直行したのには重大な理由がある。

目指す場所は奥美濃と呼ばれる、岐阜県と福井県に境にある地域。片道だけでも409㎞。寄り道、休憩を挟まなくても5時間9分もかかるのだ。

あまりにも遠い日帰り山行。自分はドMではない。

これは、純粋に行きたいと思っていた沢で、移動時間と遡行時間を計算したら日帰りでいけると思ったから計画したまで。思考回路は「行きたい」→「行ける」→「行く」。とても単純だ。

途中夕飯を食べたり買い出しをする時間を考えると、現地到着は24時くらいか。

移動距離が長いのはメンバー全員に伝え済みだと思っていたら、約1名、理系女さんだけには「泳ぎの沢に行く」としか伝えていなかったことが発覚した。騙す気持ちはなく嘘もついていない。でも、岐阜県は遠すぎるよね。普通の人なら怒りだすかもしれない。だけど、笑って受け入れてくれるから沢ヤって気楽だ。

●現地到着〜宴会開始

読み通り現地には24時頃に到着した。疲れているのだから早く寝ればいいのに、お酒を飲まないで就寝できるほど自分たちは大人ではない。テントを張ってから、もちろん宴会を開始する。お酒を飲み始めると予想以上に宴会は盛り上がってしまい、おしゃべりがエスカレートしていく。翌朝は5時に起きようと思っていたのに、結局3時過ぎ、いや4時近くか、記憶が曖昧だけど、遅くまで飲み続けてしまった。

●やっと入渓

数時間後、予定起床時間を大幅に過ぎた6時30分に目を覚ます。体がだるい。当たり前だ。名誉の為に名前を伏せるが、1名は二日酔いでウーウー唸っている。

動きたくない。寝ていたい。だけど、空を見上げたら青空が見えたので、ノロノロ準備をして出発した。

板取川キャンプ場から川浦渓谷に入渓する。水は澄んでいて川底がくっきり見える。少し進むと深い広い淵が現れるので泳いで進むことになるが、水温が低くないので気持がいい。疲れているけど、水と戯れているのが楽しいのでキャッキャ言いながら遡行する。

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滝を高巻き、なお続く深い淵をスイスイ泳ぐと核心のゴルジュに到着した。

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ゴーグル姿が抜群に似合うお医者さんに突破隊長をお願いしてロープを託す。力強い泳ぎでロープはグイグイ伸びて行き、後続はロープを伝ってお医者さんに続いていく。この核心部は流れが速くて泳げないので側壁をトラバースしている記録もあったが、今回は全て泳いで突破することができた。

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核心を越えると難しい場所はなくなり、渡渉と泳ぎを繰り返して遡行終了点に到着した。

沢と平行している林道に上がり板取川キャンプ場に向けて歩き始めると、途中に東屋があり観光客がいた。近寄って観光客の視線の先に目を向けると、さっき自分たちが泳いで突破したゴルジュが見える。そう、ここは飛騨・美濃紅葉33選にも選ばれている地元でも有名な景勝地で、自分たちは観光客に見られながらゴルジュを泳いでいたのだ。

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記念撮影をしてから車に戻り、強い日差しの下で荷物を乾かしてから温泉地へ向かう。

温泉で汗を流し、途中観光地に立ち寄りをして、東京に戻り新宿駅に着いたのは日付が変わる間近の23時だった。

●終わりに

今回の山行に費やした時間は、入渓点から終了点までで約4時間。そして、温泉を15時に出発して8時間かけて東京へ戻ったのでした。人に話したら呆れ声と顔が浮かんでくるようだ。沢ヤの感覚はことごとく世間とズレていると思う。だけど、ここまで遊びに人生の大半を費やせる性格が心地良いから、今更その性格を変えようとは思わない。このままで良いと思ってしまうのは、大人になれない子供だからなのだろうか。

少しシュールな気持ちになることはあるけど、結局は楽しければなんでも良いのだ。

長旅お疲れ様でした〜。

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toma について

東京都山岳連盟所属 [沢登り・雪山・山スキー・アイスクライミング・山岳会]
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